保護モルタルとは、コンクリート構造物の耐久性を高め、長持ちさせるために欠かせない存在です。
この記事では、保護モルタルについて解説し、防水工事の基礎知識をご紹介します。
□保護モルタルの役割とは?
保護モルタルとは、コンクリート構造物を外部環境から守るもので、耐久性を向上させるために重要な役割を担います。
1: コンクリートの保護
保護モルタルは、コンクリート構造物を長持ちさせ、安全性を維持するために欠かせません。
保護モルタルは、コンクリート表面の細かい隙間を埋めることで、水の浸入を防ぎます。
これにより、コンクリート内部の鉄筋の腐食や、コンクリートのひび割れなどを抑制できます。
2: 耐久性の向上
保護モルタルは、コンクリート構造物の耐久性を向上させるために不可欠です。
コンクリートは、水に浸透しやすいという弱点があります。
水がコンクリート内部の鉄筋に届くと、鉄筋は腐食し、構造物の強度が低下してしまいます。
保護モルタルは、コンクリート表面に防水層を形成することで、水の浸透を防ぎ、内部腐食を抑制します。
3: 防水性・耐酸性の向上
コンクリートは、水だけでなく、酸性雨や化学薬品などの酸性物質によっても劣化します。
酸性物質は、コンクリート中のカルシウムを溶解させ、構造物の強度を低下させてしまいます。
保護モルタルは、酸性物質に抵抗性のある材料で作られており、コンクリート表面を保護することで、構造物の耐酸性を向上させます。
4: 美観の向上
保護モルタルは、コンクリート構造物の耐久性を向上させるだけでなく、美観を向上させる効果も期待できます。
保護モルタルには、さまざまな色や模様をつけられます。
そのため、建物のデザインに合わせて、意匠性の高い仕上げが可能です。
また、保護モルタルは、刷毛引きやローラー仕上げなど、さまざまな施工方法があります。
施工方法によって、保護モルタル表面のテクスチャーを変えられ、建物の外観に変化を出せます。
□保護モルタルを使った防水工事の流れ
保護モルタルを使った防水工事は、どのような流れで行われるのでしょうか。
ここでは、アスファルト防水の上に、ウレタン防水を施工する例を挙げて解説していきます。
1: 洗浄・下地処理
施工する場所に既存の防水層がある場合は、完全に除去します。
完全に除去し、施工部分が露出したら、表面の汚れまで洗浄し乾燥させます。
また、必要な場合は下地調整材を使用し、施工面を平滑にしておくことも大切です。
2: プライマー塗布
下地処理が終わったら、より密着度を高めるためプライマーの塗布を行います。
刷毛やローラーなどを使用し、ムラにならないよう丁寧に作業を進めます。
3: 防水材の塗布
プライマーが乾燥したら、防水材の塗布を行います。
複数回塗り重ねる必要がある場合は、完全に乾燥した後に次の防水層を塗布していきます。
4: 保護モルタル施工
防水材が完全に乾燥したあと、防水層の保護を担うモルタルを施工していきます。
保護モルタルによって、直接防水層に触れることなく屋上を利用できるようになります。
5: 最終検査
保護モルタルの施工後、養生期間を経て最終検査を行います。
漏水や水たまりができないかを確認し、工事完了となります。
□まとめ
この記事では、保護モルタルの役割、種類、施工方法について解説しました。
保護モルタルは、コンクリート構造物の耐久性を高め、長持ちさせるために不可欠な存在です。
保護モルタルの役割を理解することで、防水工事の基礎知識を習得し、より効果的な防水対策を行えます。
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